ブランドジャパン2026|サントリーが一般消費者編で1位に!「ブランド力」を高める3つのヒント

Brand Small Talk
ブランドジャパン2026 あなたは、日本のブランドを世界に広げられますか?

はじめに

今回は、日経BPコンサルティングが実施した「ブランドジャパン2026」という調査結果を解説します。

この調査は、日本の一般生活者が企業やブランドに抱くイメージを評価するもの。驚くべきことに、前回25位だったサントリーがトップに返り咲き、大阪万博の功績でパナソニックも躍進しました。

「自分の会社がどうすればブランド力を高められるか」「消費者の目はどう変わっているのか」を説明します。
後半では、他社企業の戦略から学べる3つの具体的なヒントをお届けします。

サントリーが1位に!「ブランド力」を測る指標が示す重要な事実とは

まず最初に伝えたいのは、この調査結果の核心部分です。

「ブランドジャパン2026」は、日経BPコンサルティングが実施する企業・ブランドの評価調査。2025年11月にインターネット利用者から回答を集め、「一般生活者編」と「ビジネスパーソン編」に分けて分析しました。

一般生活者編ではサントリーHD(サントリーホールディングス)が総合で1位に輝きました。これは前回のBJ2025での25位から大幅な順位改善です。前回トップだったYouTubeも、今回の調査ではサントリーを下しました。

サントリーの鳥井信浩社長は「一般消費者の方々から評価されたことはうれしい」と述べつつ、「25年にヒット商品が多かったわけではありません」と謙虚な姿勢を示しています。実はこの言葉に隠されているのが、サントリースタイルの本質的な戦略です。

ブランド力=ウイスキーやビールだけではない!

サントリーの強さは、ウイスキーやビールだけでなく「コーヒーのBOSS(158位)」「緑茶飲料の伊右衛門(176位)」など、多種多様な製品ラインナップで消費者に接点を持っている点にあります。

「あらゆる生活シーンに対応できるブランド」こそが現代のサントリー。さらに、環境への取り組みとして「水と生きるSUNTORY」というメッセージを企業活動全体に込めており、単なるCMではなく企業の姿勢そのものを水のイメージで伝えているのが特徴です。

【重要事実1】:サントリーの強みは「幅広さ」+「一貫性」
ウイスキーからコーヒーまで幅広く、「水と生きる」というテーマをすべての活動で貫いている。単なる製品販売ではなく、企業全体のブランド構築が評価されている。

また、この調査結果ではパナソニックHDも総合4位(家電部門トップ)という好成績を収めています。前回から順位が上昇し、その要因の一つに大阪・関西万博での出展がありました。パナソニックは「ノモの国」というパビリオンを設け、約47万人が来場する大成功を収めました。

家電業界では競争が激化していますが、BtoC(消費者向け)だけでなくBtoB(企業向け)でもブランド信頼を築く狙いを明確にしています。「家電で築いたブランドの信頼感があればこそ、BtoB領域でもパートナーとして認めてもらえる」という発想は、他社が学ぶべき重要な視点です。

具体的な詳細|他社企業の躍進戦略から学べる3つのポイント

サントリーやパナソニック以外にも、この調査結果には多くの企業が登場しています。それぞれが自社の弱みと強みをどう捉え、ブランド力を高めようとしているのかを詳しく見ていきましょう。

リンガーハット(総合140位)が前回の293位から大幅に順位向上しました。

長崎ちゃんぽんの「リンガーハット」、とんかつの「トンカツ渡り」を展開する飲食チェーンですが、2009年から全店で使用する野菜を国産に切り替え続けていました。ところが、福原扶美男社長(当時)がアンケート調査で「国産野菜を使っていますか」という質問に、「国産野菜使用を知っている人が増えている」と気づいたのです。

ここから危機感を覚え、「もう一度そのことを打ち出そう」とメニューやポスター、テレビ番組などで積極的に発信を強化しました。結果、来店客数が増え、新しい層への認知が広がったという成功ストーリーです。

**「長年の取り組みが評価された」のではなく、「伝え方が重要」** という教訓がここにあります。長く続けていても、消費者に伝わっていないなら再度アピールする必要がある。

【重要事実1】:リンガーハットの学び
「やっていることは伝えていない」=伝達不足。
長年の取り組みも、「言わずにはいると浸透しない」という現実を認識し、発信強化で認知が広がった。

ポイント2:「食のテーマパーク」コンセプトでLOPIAが注目される

ロピア(総合185位)は前回の552位から大幅に順位向上しました。

OICグループが運営する食品スーパーで、東日本を中心に141店舗を展開。セブン&アイ・ホールディングス傘下のイオンヨーカ堂が撤退した北海道・東北などの店舗を引き継ぎつつ、地方出店も拡大してきました。

「店舗数が増え、お客様が増えた。店に来たら楽しかった、食べたらおいしかった」という体験がブランド力を押し上げているとのことです。成城石井や西友を経た大久保恒夫社長は、「食のテーマパーク」をコンセプトに売り場ごとの飾り付けも華やかに。「牛肉の希少部位『ミスジ』がリーズナブル」「生本鮪(まぐろ)ブーメランで赤身・中トロ・大トロを一度に味わえる」という驚きのある商品を揃え、差別化を図っています。

**「食の楽しみ」を前面に出すことで、単なる購買行為ではなく「体験」として顧客を取り込む** 戦略が見事に機能しているのです。

【重要事実2】:ロピアの学び
「楽しさ」「驚き」を提供し、単なるスーパーから「テーマパーク」へ変換。
肉品店という源流を活かしつつ、体験価値を最大化した。

Disney+(総合265位)は前回の496位から躍進しました。

ウォルト・ディズニー・ジャパンの白色保社長は「映画・グッズ・テーマパーク」という物理的な体験に、ゲームや動画配信といったデジタル空間も加え、「シナジーサークル」と呼び相乗効果を生んでいます。

例を挙げると、「映画館に行く前に自宅で前作を見よう」「ディズニープラスで韓国ドラマも視聴可能」など、サービス同士が繋がっています。「SHOGUN(将軍)」や「ガン・バル(GUNDHAM)」といった話題作の独占配信でも注目を集め、「OUTSTANDING(外食部門70位)」などの評価項目でも高いスコアを記録しています。

さらに、WBC(世界野球プレミアカップ)の公式スポンサーとして日本選手のホームランをGemini(GoogleのAI)で動画解析し、X(旧Twitter)上で解説する取り組みも実施。生成AIとエンターテインメントが融合した新しい体験を提供しています。

【重要事実3】:Disney+の学び
「物理的+デジタル」をシナジーさせ、ファンコミュニティを強化。
映画館に行く前に自宅で前作を見ようなど、サービス同士で相乗効果をデザインした。

生成AIサービスのランキングでもChatGPT(総合81位)、Microsoft Copilot(同552位)、Gemini(同584位)などが上位に並んでいます。特にGeminiは前回から利用者の増加が著しく、「マルチモーダル化(画像・音声・動画の統合処理)」や「テキスト理解の精度」で評価されています。

補足情報|調査結果から読み取れる消費者の変化と今後のトレンド

この調査結果からは、現代の消費者が何を重視しているのか、どのような変化が見られるかを読み取ることができます。特に重要です。

①「ブランド評価パス」:4つの因子で消費者の心を捉える

日経BPコンサルティングは、一般生活者に6項目のブランドイメージを質問し、4つの因子ごとにスコア化しています。

– 「好きである、気に入っている」「なくなると寂しい」「親しみを感じる」「共感する、フィーリングが合う」
– 「知らない」「最近使っている」「品質が優れている」「役に立つ、「使える」」
– 「ステータスが高い」「他にはない魅力がある」「かっこいい、スタイリッシュ」「際立った個性がある」
– 「いま注目されている」「時代を切り開いている」「勢いがある」

この4因子のスコアから「ブランド総合力」を算出し、企業やブランドの総合的な評価を行っています。「単なる知名度」だけでなく、「消費者の感情」まで測っている点が重要です。

② 「デジタルと物理の融合」は必須トレンド

Disney+やGoogle AIなどの事例からも、現代ではデジタル空間と実世界の体験をどう結びつけるかが重要であることがわかります。映画館に行かない前に自宅で前作を見よう、WBCの選手のホームランをAIで解析して解説するなど、「物理的」+「デジタル」のシナジーがファンエクスペリエンスを強化しています。

③ 「環境配慮は当たり前だが、伝え方が重要」

LingoHotの国産野菜への取り組みのように、長年の環境配慮活動でも「消費者に伝わっていない」場合は再度アピールする必要があります。「やっていること」だけでなく「伝えていること」が評価される社会になっています。

トレンドの方向性
1. デジタルと物理をシナジーさせ、ファンコミュニティを強化
2. 環境配慮は当然だが、「伝え方」も重視する
3. ブランド評価は「感情」を含む総合スコアで測る

これらのトレンドは、BtoCだけでなくBtoBの企業にも応用可能です。自社製品を使う顧客だけでなく、その体験をどう拡張させるか、環境配慮をどう伝えるかを常に考えることが、ブランド力向上の鍵となります。

まとめ|「ブランド力」を高める3つの気づきと今後の戦略的な視点

最後に、この調査結果から得られる重要なポイントを整理してみましょう。これは単なるランキングの結果ではなく、現代の企業・組織がどうすれば「ブランド力」を高められるかという教訓を多く含んでいます。

第一に、「幅広さ」と「一貫性」が重要

サントリーのように、ウイスキーからコーヒーまで多種多様な製品ラインナップを持ちながら、すべての活動で同じテーマ(水と生きる)を貫いている。単なる製品販売ではなく「企業全体のブランド構築」が評価されています。BtoCだけでなく、BtoBでも「家電で築いたブランドの信頼感」を活かし、「パートナーとして認められる」という展開も示唆的です。

第二に、「伝え方」がすべて

LingoHotのように長年の取り組み(国産野菜)でも、消費者に伝わっていないなら再度アピールする必要があります。「やっていること」だけでなく「言っていること」が重要。環境配慮や社会貢献活動は当たり前だが、それをどう伝えるかが評価のポイント。

第三に、「シナジー」と「体験」

Disney+のように物理的な体験(映画館、テーマパーク)とデジタル空間(ゲーム、動画配信)を融合させ、「ファンエクスペリエンス」を強化する。単なる機能提供ではなく「体験価値」を提供することで、ブランドロイヤルティを高められる。また生成AIを活用してコンテンツを拡張する(WBCのホームラン解析)など、新しいテクノロジーを使いながら顧客体験を深める姿勢が求められています。

さらに、消費者の評価基準も変化しています。「知名度」だけでなく「感情」「信頼感」「フィーリング」まで測る「ブランド評価パス」のような総合スコアで企業やブランドの価値が見られるようになっています。単なる売上重視ではなく、「消費者の心」をどう捉えるかが重要。

この調査結果は、2026年という時点で、日本における「ブランド力」の定義が「製品品質」「認知度」だけでなく「社会的責任」「デジタル活用」「体験価値」まで含まれていることを示しています。企業・組織として今後どう生き残るべきかという視点からも、とても意義深いものです。

BtoCでもBtoBでも、自社ブランドをどう高めるかを考える上で、サントリーやパナソニック、リンガーハットなどの戦略は模範例となります。「消費者の心」を理解し、「体験価値」を提供し、環境配慮を「伝えながら実践する」ことが、現代のブランド力向上の鍵となります。

【まとめのメッセージ】
「ブランド力=製品品質×社会的責任×デジタル活用×顧客体験」

単なる売上追求ではなく、消費者の心や社会貢献をどう評価できるかが、現代の企業のあり方。サントリーなどの事例から学ぶべき3つのポイントを頭に入れておくと、自社・組織のブランド戦略を立てる上で大きな助けになるでしょう。

 

タイトルとURLをコピーしました