iPS細胞と武田薬品の10年 山中教授が語る「死の谷」を越えるための準備

京都大学iPS細胞研究所 Small Talk

今朝のコーヒー、ジョージア ヨーロピアン (香るブラック)、いい香りがしますね。仕事前のこの一杯が、思考を整理してくれる気がして欠かせません。

ふとニュースを見て気になったのですが、京都大学の山中伸弥教授と武田薬品工業が10年間にわたって進めてきた共同研究プログラム「T-CiRA」が、2025年度で満了を迎えるそうです 。200億円という巨額の資金が投じられたこのプロジェクト、実はまだ「目に見える製品」としては世に出ていないのだとか 。これを「成果がなかった」と切り捨ててしまうのは、少しもったいない気がしています。


このプログラムは、山中教授が発見したiPS細胞を、実際の病気の治療や薬の開発に繋げるために始まりました 。2016年度から、延べ100人近い研究者が集まり、がんや心不全といった難病に挑んできたのです

山中教授は、大学の研究を「ホップ」、この10年の産学連携を「ステップ」と表現しています 。製品化という「ジャンプ」の前には、避けては通れない準備期間があったということなのでしょう

私たちがビジネスの現場で直面する、優れたアイデアが市場に届かずに消えてしまう「死の谷」。山中教授も、iPS細胞がいつかこの課題に直面することを予見していたといいます

確かに、この10年で製品化には至りませんでしたが、58件の特許出願や、臨床試験の段階まで進んでいるスタートアップ企業の誕生といった、着実な「足跡」は残されています 。武田薬品側も、iPS細胞の技術にAIやオートメーションを組み合わせた、世界最高レベルの研究基盤を手に入れたと語っています

山中教授の「諦めなかった者が最後に勝つ」という言葉が、妙に心に残りました 。効率やスピードが重視される時代ですが、あえて「我慢強く続けること」が、高く跳ぶための唯一の鍵なのかもしれません

大きなプロジェクトの終わりは、新しい何かの始まりでもあります。 私たちの目の前にある仕事も、もしかしたら今はまだ「ステップ」の段階なのかもしれない。そう考えると、少しだけ視界が開ける気がしませんか。

さて、コーヒーも飲み終えましたし、そろそろデスクに向かうとしましょう。今日の仕事が、未来の大きなジャンプに繋がっていると信じて。

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S. Hiro Black

日本に血縁を持つフランス人です。ヨーロッパやアメリカなどで新規事業開拓の仕事を長くしてきました。今は日本に住んで活動しています。ここでは、社会経済、科学、スポーツの気になった話を独自の視点で解説します。

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