水素ステーション苦境の理由とは?FCV低迷と中国の台頭

水素車の未来に新展開 Small Talk

今朝は仕事机で タリーズコーヒー BARISTA’S BLACK (バリスタズブラック)を飲みながら、「日本の水素ステーションで鳴く閑古鳥」なんていう記事を読んでいます。
「水素社会」は本当に実現するのでしょうか。燃料電池車(FCV)の普及を前提に整備が進められてきた水素ステーションですが、いま日本では利用台数が伸び悩み、厳しい状況に置かれているようです。水素ステーションの現状、課題、そして今後の活路についてみてみましょう。


水素ステーションはなぜ苦境に立つのか

日本ではFCV向けに多額の補助金を投じ、水素ステーションの整備を進めてきました。しかし実態は、「1日10台未満」という稼働状況の拠点も少なくありません。
背景にあるのは、FCVの販売低迷です。代表車種である**トヨタ自動車**の「MIRAI」などがあるものの、販売台数はピークから減少傾向にあります。電気自動車(EV)の航続距離向上により、FCVの優位性が薄れたことも影響しています。
東京都は1カ所あたり最大10億円の整備補助、年間最大4000万円の運営補助、さらには土地賃借料の補助まで行っています。しかし予算が消化しきれない状況が続き、設置目標にも届いていません。
つまり、「供給体制は整えたが、需要が追いつかない」という構図です。


活路は大型商用車にあり

停滞する中で戦略転換を図っているのが、国内最大手の岩谷産業です。
同社は乗用車向けから、大型商用車向けへ軸足を移しています。その理由は明確です。

  • ポイント1:水素消費量が桁違い
    乗用車の水素タンクは約5kg。一方、FCトラックはその10倍以上。少ない台数でも安定需要が見込めます。

  • ポイント2:大型拠点の高稼働
    トラックターミナル内のステーションでは、1日25~30台の利用があるケースも。商用車集中型は効率的です。

  • ポイント3:供給技術の強み
    岩谷は液化水素技術を保有。液化することで体積を縮小でき、輸送・貯蔵コストを抑制。販売価格も競合の**ENEOS**より安価とされています。

東京都もFCバス導入を拡大中で、商用車シフトは合理的な選択といえます。


中国との差が広がる理由

一方、中国は国家戦略としてFCトラック中心に普及を推進しています。業界団体の中国汽車工業協会によれば、販売台数は日本を大きく上回ります。
特に注目すべきは「内訳」です。中国ではトラックが中心で、水素消費量が大きい構造となっています。単なる台数比較以上に、水素需要規模で差が拡大しています。
日本は乗用車主導で始めたため、需要密度が低く、インフラ効率が悪化しました。今後は商用車重視への再設計が鍵となります。


まとめ

日本の水素ステーションは現在、過渡期にあります。

  • FCV乗用車の普及が伸び悩み

  • 補助金依存型モデルの限界

  • 商用車への戦略転換

  • 中国との需要規模の差

水素はエネルギー安全保障上、重要な選択肢です。しかし、インフラは「作れば使われる」ものではありません。需要構造に合わせた戦略設計が不可欠だと思いました。今後は日本でも、商用車を軸に持続可能なモデルへ転換できるかどうかが、この国の水素政策の分水嶺となるのではないでしょうか?

ではまた来週。

プロフィール
この記事を書いた人
S. Hiro Black

日本に血縁を持つフランス人です。ヨーロッパやアメリカなどで新規事業開拓の仕事を長くしてきました。今は日本に住んで活動しています。ここでは、社会経済、科学、スポーツの気になった話を独自の視点で解説します。

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