のれん償却は不要?M&A議論の意外な落とし穴

のれん償却 Small Talk

はじめに

朝のカフェテリアでコーヒーを飲みながら、最近ちょっと気になっていた話があります。
政府の会議で、日本の会計制度にある「のれん償却」を見直す議論が出ているそうです。スタートアップのM&Aを増やすため、という理由です。

もしそれが本当なら、日本の企業戦略は少し変わるかもしれません。
ただ、話を追っていくと、もう少し静かに考えたくなる材料も見えてきました。

背景

「のれん」とは、企業を買収したときに生まれる「目に見えない価値」です。
ブランドや人材、将来の収益力など、帳簿に載らない力を買うときに生まれる差額ですね。

日本の会計では、この価値を毎年少しずつ費用として処理します。
一方、国際基準では基本的に償却せず、価値が落ちたときだけ損失として処理します。

この違いが「日本はM&Aに不利ではないか」という議論につながっています。

メインテーマ

ただ、のれん償却をなくせばM&Aが増えるかというと、そこは少し疑問が残るようです。

研究や現場の感覚を見ると、スタートアップがM&Aを積極的に行わない理由は、会計処理だけでは説明できないからです。
むしろ資金、戦略、人材といった別の要素の方が大きいという見方もあります。

つまり「会計ルールを変えれば企業活動が活発になる」というほど単純な話でもなさそうです。

具体的な事実

もう一つ見逃せないのが、償却をやめた場合のリスクです。

国際基準では、代わりに厳しい減損テストが必要になります。
企業は将来の収益予測をもとに、のれんの価値を毎年評価しなければなりません。

この作業には時間もコストもかかります。
管理体制が十分でない企業には、むしろ負担になる可能性もあるそうです。

さらに問題は、もし価値が下がれば一度に巨額の損失を出すこと。
実際に海外基準の企業で、大きな減損で赤字に転落した例も少なくありません。

日々少しずつ効く「ボディーブロー型の償却」と、
ある日突然来る「大きな減損」。
どちらが企業にとって健全なのか、考え方は分かれそうです。

まとめ

制度は、国の考え方を映す鏡のようなものだと思っています。
数字の処理の話に見えても、実は企業のリスクとの付き合い方の話でもあります。

そんなことを考えていると、朝のコーヒーが少し冷めていました。
さて、今日の仕事ではどんな「見えない価値」を見つけられるだろうか、そんなことをぼんやり思っていた朝でした。


プロフィール
この記事を書いた人
S. Hiro Black

日本に血縁を持つフランス人です。ヨーロッパやアメリカなどで新規事業開拓の仕事を長くしてきました。今は日本に住んで活動しています。ここでは、社会経済、科学、スポーツの気になった話を独自の視点で解説します。

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